壁掛けテレビができないのは「2000年〜2017年前後」の高層マンション?

お部屋をスッキリと広く見せ、スタイリッシュな空間を演出してくれる「壁掛けテレビ」。新居への引っ越しや模様替えを機に、導入を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ設置しようとした時に「実はこの壁には設置できません」と業者から断られてしまうケースがあるのをご存知ですか?

特に、集合住宅(マンション)にお住まいの方は注意が必要です。今回は、高層マンションで壁掛けテレビの設置ができない「戸境壁(隣接世帯側の壁)」の条件と、ご自身でできる簡単な見分け方について分かりやすく解説します。

戸境壁の図面

マンションにお住まいの場合、注意すべきは「戸境壁(隣接するお隣の世帯との間にある壁)」です。

実は、2000年から2017年前後に設計・建設された高層マンション(タワーマンションなど)の戸境壁には、「強化石膏ボード」という特殊で頑丈な素材が使用されていることが多くあります。

この強化石膏ボード自体は、防音性や耐火性に優れた素晴らしい建材なのですが、マンションの構造上のルールとして「穴開けが一切禁止」されていることがほとんどです。壁掛けテレビを設置するには、壁に専用の金具をビスで固定するための穴を開ける必要があるため、強化石膏ボードが使われている壁には設置ができないというわけです。

同じ年代のマンションでも「2つの構造」がある

「じゃあ、2000年〜2017年築のマンションは全部諦めないといけないの?」と思うかもしれませんが、ご安心ください。実は、この年代のマンションの戸境壁には、大きく分けて2パターンの構造が存在します。

パターン①:設置NG(強化石膏ボードに直接クロスが貼られた壁)

居住空間から見て、強化石膏ボードの上に直接クロス(壁紙)が貼られている構造です。

この壁の最大の特徴は、「その壁面にコンセントが一つも設置されていない」こと。前述の通り、強化石膏ボードには穴を開けることができないため、壁の内部に電気配線を通したり、コンセント用の穴を開けたりすることができません。この構造の壁は、壁掛けテレビの設置はもちろん、コンセントの新規増設も不可能です。

強化石膏ボード壁の構造図面

パターン②:設置OK(最新の二重構造の壁)

もう一つは、設置が可能な少し複雑な構造です。

隣の部屋との境目にある強化石膏ボード(パターン①の壁)の手前に、「軽量鉄骨(LGS)」という骨組みを立て、その上から「通常の石膏ボード」を貼り、最後にクロスで仕上げています。

つまり、居住空間から見えているのは「通常の石膏ボード」であり、奥にある強化石膏ボードとの間に空間(隙間)がある二重構造になっています。

この通常の石膏ボードにはコンセントを設置するための穴開けも可能ですし、補強を行えば壁掛けテレビの設置も可能となります。

自分の家の壁はどっち?簡単な3つの確認方法

「壁掛けテレビを付けたい壁が、隣の部屋との戸境壁なんだけど……」という方のために、ご自身で「通常の石膏ボード」か「強化石膏ボード(直貼り)」かを見分ける簡単な方法をご紹介します。

その①:コンセントの有無をチェックする

まずは一番簡単な目視チェックです。設置したい戸境壁に、初めからコンセントが設置されているかを確認してください。コンセントがあれば、壁の裏に配線用の空間がある「通常の石膏ボード(パターン②)」である可能性が非常に高いです。

その②:押しピン(画鋲)を刺してみる

押しピンを刺す画像

目立たない場所(足元の幅木の上など)で、壁に押しピンをグッと刺してみてください。

 ・スムーズに刺さる = 通常の石膏ボード(設置OKの可能性大、パターン②)

 ・硬くて全く刺さらない = 強化石膏ボード(設置NG、パターン①)

強化石膏ボードは非常に密度が高く硬いため、人間の力では押しピンを根元まで刺すことができません。

その③:壁をノックして「音」を聞き比べる

壁をノックする画像

壁を軽くコンコンと叩いて、音の響きを確認する方法です。

まずは基準となる音を知るために、家の中の「間仕切り壁(廊下と部屋を区切る壁や、部屋と部屋を区切る壁)」を叩いてみてください。

間仕切り壁は必ず『通常の石膏ボード』で作られているため、「壁の中に空間がある、少し響くような軽い音(ゴンゴン、ボーンボーン)」がするはずです。

次に、壁掛けテレビを設置したい戸境壁をノックしてみましょう。

 間仕切り壁と同じように「空間のある軽い音」がする= 『通常の石膏ボード  パターン②』

 間仕切り壁よりも「中身が詰まった重くて硬い音(ゴッゴッ)」がする= 強化石膏ボード  パターン①』

まとめ:不安な場合は管理会社への確認を!

いかがでしたでしょうか。高層マンションならではの壁の構造により、壁掛けテレビが設置できないケースとその見分け方について解説しました。

ご自身で押しピンやノックの確認をして「強化石膏ボードかもしれない」と感じた場合や、判断に迷う場合は、無理に穴を開けようとするのは絶対にやめましょう。マンションの規約違反になるだけでなく、建物の構造に影響を与えてしまう恐れもあります。

壁掛けテレビ用の金具やテレビ本体を購入してしまう前に、まずはマンションの管理会社へ「リビングの戸境壁は、強化石膏ボードの直貼りでしょうか?」と図面を確認してもらうのが最も確実で安心です。

事前のしっかりとした確認で、安全で快適、理想的な壁掛けテレビを実現させてくださいね!